バレンティーノ・ロッシ引退
- takunc54

- 2021年8月7日
- 読了時間: 4分

こんにちは!
今回はモトGPライダー、バレンティーノ・ロッシ引退についてです。
私はレースにはそこまで興味はありませんが、テレビでは欠かさず見ています。2005年から2010年ごろまではデジカメに切り替わったこともあり、ツインリンクもてぎに5年ほど日本GPを見に通っていました。
モトGPとは簡単に言うとバイク版F1みたいなものです。
そこで20年以上もの間トップ争いを繰り広げ、通算9度の世界チャンピオンになり、115回の優勝回数を誇り「生きる伝説」と呼ばれています。
元々はホンダのライダーでしたが、圧倒的な強さを誇ったために「ホンダでやり残したことはない」と言ってヤマハに移籍したの話は有名です。
その後ヤマハでも圧倒的な強さを誇りホンダから移籍した時のようにドカティに移籍しますが、さすがのロッシもドカティでは勝つことができず、再びヤマハに復帰して現在に至ります。
近年はさすがに年齢もあってか衰えが見え始め、優勝はおろか表彰台も厳しい状態が続いていました。
しかし、考えてください。F1で20年も走り続けている選手はいません。モータースポーツは非常にシビアなので10年はおろか5年以上走り続けることさえ困難です。
そんな中でのロッシの存在というのは圧倒的な存在と言えます。
日本ではモータースポーツの盛り上がりに欠けると言われているのでさほど有名ではありませんが、ロッシのピーク時にはスポーツ選手の世界長者番付でベスト10に入るくらいでした。MLBやサッカーのトップ選手でもベスト10入りすることは稀です。
さらにヨーロッパでは一流選手=著名人という扱いですので、日本では考えられないほどの名誉と人気を誇ります。
そのロッシがモトGPライダーになったきっかけはある日本人ライダーでした。
その日本人ライダーとは「阿部典史」こと「ノリック」でした。
ノリックは、モトGPの前身であるGP500では通算勝利数は3勝なものの、勝ち方が劇的でした。
当時の圧倒的世界チャンピオンのミック・ドゥハンやシュワンツといったライダーを相手に鈴鹿で競り勝ったのです。
そのレースを見て、ノリックを追いかけてモトGPライダーになったのがロッシでした。
ロッシは、自分のことを「ロッシふみ」というくらいノリックを尊敬していました。
現在も毎年マシン更新のたびにノリックのステッカーをマシンに貼って走っています。
モトGPに使うマシンに貼れるステッカーはスポンサーの制約があって、ライダーの好きには貼れません。いかにロッシがノリックを尊敬していたかがわかる逸話です。
ノリックはモトGPでマシンを降りた後日本でレースに出ていましたが、2007年にまさかの公道での交通事故で帰らぬ人となりました。
ロッシはその後、玉田誠、中野真也、加藤大治郎といった同級生トリオと切磋琢磨し、親交を深めました。特に日本人初のモトGPチャンピオンの期待のかかった加藤大治郎とは仲が良かったようです(中野真也は現在、モトGPの解説を時々しています。また、引退後はバイク用品メーカー「56デザイン」を立ち上げています)
加藤大治郎も残念ながら2003年の鈴鹿でのモトGPレース中の事故により帰らぬ人となっています。
つまりロッシは日本人ライダーに憧れてモトGPライダーになり、たくさんの日本人ライダーと覇権を争った選手なのです。
そして、彼の強さの特徴は2つあります。
ひとつは、バトルでの圧倒的な勝負強さ。
予選でトップでなくても、競り合いに強くトップを争うバトルには滅法強かった。目に余るラフプレーも時々ありましたが、多くの人々は彼の勝利への執念という受け取り方をしていました。
もうひとつはマシンの理解度です。
モトGPで勝つには、ただ速く走る能力だけでは足りません。
マシンをチームスタッフと共に仕上げるセッティング能力が必須になります。
どういう出力傾向にするのか、どこに出力ピークをもって行くのか、そういったセッティングの能力も欠かせません。
200年代初頭にはエンジン制御にコンピューターが導入され、ライディング力、セッティング力、コンピューターへの理解度の3つが必須になっていきました。
ロッシはライディングだけでなく、マシンへの理解度も高かったのです。
それゆえ「ドクター」という異名もありました。

そんなロッシがついに引退するのです。
感慨深いものがあります・・。
圧倒的な強さを誇ったロッシですが、かわいがっていた後輩のシモンチェリをレース中に自らのマシンで帰らぬ人にしてしまった不幸もありました。
今年はモトGPの日本GPが中止になってしまったため、もうロッシがレースで走る姿を見ることはできないでしょう。残念です。
写真は2008年日本GPツインリンクもてぎのバックストレートを立ち上がっていくロッシです。
今回はバレンティーノ・ロッシ引退についてでした。




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