流氷上のオオワシ・オジロワシ
- takunc54

- 2020年6月14日
- 読了時間: 4分

こんにちは!今回は冬の風物詩、流氷の上で見られるオオワシ・オジロワシの紹介です。
北海道では1月下旬から2月上旬にかけて道北から道東にかけて流氷がやってきます。流氷はロシアのアムール川の水が凍ったものが流れ着くと言われています。アムール川の塩分濃度の低い水が海水の塩分濃度の高い水の上に浮いている状態で、かつ強い寒気で冷やされるために形成されるそうです。また、オホーツク海はカムチャッカ半島やユーラシア大陸などに囲まれているため海水の入れ替えさほど激しくなく氷が崩れにくい状況にあるのも一因と言われています。
続いてオオワシについてです。オオワシは写真右側の黒と白のツートンカラーで嘴がオレンジの鳥です。カムチャッカ半島から北海道などに生息しており道東にて越冬する姿がよく見られます。サイスは翼を広げると2メートル以上にもなる大型の鳥で、世界中で5000羽と言われる中でその1/3ほどが北海道で生息していると言われています。以前、道東ではスケトウダラの漁が活発でそのおこぼれを狙って多く生息しているという説があります。
左側がオジロワシ。茶色の体に白い尾で嘴は黄色。オジロワシはオオワシと違ってオホーツク以外にも生息し、ヨーロッパやアジアにも生息し2万羽から4万羽いると言われていて、北海道の生息数は700~900羽位。オジロワシも羽を広げると2メートル以上になります。また、オジロワシもスケトウダラの漁のおこぼれを狙って道東に多く生息すると言われています。
どちらも冬の風物詩ですが、個人的にはオジロワシは夏に漁港で見かけることもしばしばです。
世界中の生息数のかなりの割合が道東にいる中で、さらに流氷の上で暮らしているさまが見られるのは貴重ということで世界各国からカメラマンが集まります。

さらに流氷の上で佇むワシたちと朝陽を重ねて撮るという構図は大人気です。
基本的にオオワシやオジロワシが流氷の上にいるのを見るにはクルーズ船に乗るのですが、朝陽と絡めて撮るために早朝クルーズ船が出ています。
昨年から撮影のためのクルーズ船と一般観光のクルーズ船とが分けられるようになるほど写真愛好家には人気です。
しかもクルーズ船の会社は3社あります(厳密にはもう2社ほどあります)
クルーズ船は冬は流氷の上のワシを観察するクルーズですが、初夏にはシャチ、夏にはクジラやイルカ、ヒグマなどを観察する野生動物全般クルーズ船です。
ゴジラ岩観光
知床ネイチャークルーズ
知床・羅臼観光船はまなす
これらは2000年代中盤くらいから漁師の方が観光にシフトして運営していることが多いのが特徴です。(2001年に行ったときはクルーズ船がなく、現地で漁船と交渉して乗って撮る感じでした)
知床ネイチャークルーズはNHKなどシャチの特集でご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんね。はまなすはNHK北海道がよく貸し切りチャーターして撮影しています。
私は比較的予約の取りやすく、写真家の評判の良いゴジラ岩観光にすることが多いです(四季を通すと全ての会社に乗ったことがあります)
どちらも冬は1回1万円ほどしますので安くはありませんが、他では見られない絶景が見られること間違いなしなので何度も乗る方も多いです。
私の北海道在住の友人が先日初めてクルーズ船に乗って「360度近くワシしかいねえ!」と名言を残しましたww
北海道民にとっても流氷の上にワシが1000羽以上いる眺めは想像を絶したようです。

私は初めオジロワシしか知らなくてオジロワシが撮りたいとずっと思っていたのですが、ここ数年はオオワシの方が惹かれていて、視界にオオワシとオジロワシが入ると自然にオオワシを狙うことが多くなったように思います。
以前にも書いたかもしれませんが、私は動物専門で写真を撮っているわけではなく風景写真の一環として野生動物を撮影しています。なので、何でもかんでも動物や鳥を撮るわけではないのですが、流氷とワシのコラボにはかなり心惹かれています。2年連続で乗っていますが、天候などの条件が完全な条件にまだ巡り合えていません。多分来年も乗るでしょうww
完全な条件とは
①晴れている
②流氷が来ている
③流氷が多すぎると港から出られないので多すぎてもダメ
④流氷がいい具合の2月中旬の船の予約が取れること
⑤適度に寒いこと
⑥波が穏やかなこと
ちなみに今年は予定が決まる前に予約が3社ともほぼ満席になってしまい、3月上旬にずらしました。
(12月末に予約開始です。実際には新型コロナの影響でキャンセルが続き、空席があったようです)
オオワシについて
オジロワシについて
流氷について
今回は流氷上のオオワシ・オジロワシの紹介でした。




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